論文掲載

新しく創立したAppl. Phys. Rev. 誌に招待論文を掲載しました。強磁性半導体の最近の動向に関するレビュー論文です。

M. Tanaka, S. Ohya, P. N. Hai (invited review paper), “Recent Progress in III-V based ferromagnetic semiconductors: Band structure, Fermi level, and tunneling transport”, Appl. Phys. Rev. 1, 011102/1-25 (2014).

論文掲載

YIG磁性体にフェムトレーザを打ち込んで、光学特性と磁気特性の変調を実証した論文がOpt. Lett.誌に掲載されました。本研究は量子ナノエレトロ二クスセンターの雨宮智宏博士が中心に行った共同研究の成果です。この技術は3次元の磁気光学回路の作製に応用できると期待しています。また、本論文の図の一部はOpt. Lett.の表紙として紹介されました。

T. Amemiya, A. Ishikawa, Y. Shoji, P. N. Hai, M. Tanaka, T. Mizumoto, T. Tanaka, and S. Arai, “Three-dimensional nanostructuring in YIG ferrite with femtosecond laser”, Opt. Lett. 39, 212-215 (2014).

 

WS000002

YIG磁性体

WS000003フェムトレーザを打ち込んだ後(下側の細いと太い線)の磁気イメージング結果。大きな磁場を印加する場合、細線が周りの部分と同じ磁化特性を示して、区別が付かないが、磁場が小さい領域では、細線と周りの磁化特性の違いがはっきり見える。打ち込んだ部分とそうでない部分の磁化ヒステレシスが違うことが分かる。

論文掲載

世界唯一のn型電子誘起強磁性半導体(In,Fe)Asを含む量子井戸構造において、量子効果の発現および波動関数制御による強磁性変調に関する論文がAppl. Phys. Lett.誌に掲載されました。今回は量子井戸を精密エッチングで削って、量子井戸の幅を変えることで、量子井戸内の電子波動関数とFeスピンとの重なり具合を変調しました。波動関数制御による強磁性変調は世界初の実証です。従来の強磁性変調の実験はは局所的なキャリア濃度を変える必要があったため、高速化と消費電力の低減が難しいですが、今回の技術は電子濃度をほとんど変える必要がないために、超高速、超低消費電力の磁化スイッチング技術に応用できると期待しています。

L. D. Anh, P. N. Hai, M. Tanaka, “Control of ferromagnetism by manipulating the carrier wavefunction in ferromagnetic semiconductor (In,Fe)As quantum wells”, Appl. Phys. Lett. 104, 042404/1-5 (2014).

 

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(a) (In,Fe)As強磁性半導体を含む量子井戸の構造。(b) 量子井戸の磁気色二性(MCD)のスペクトル。量子井戸の幅が小さくなるにつれて、光学遷移の特異点エネルギーが系統的にブルーシフトしたことが分かる。

 

WS000005精密エッチングによって量子井戸を削った時の(a)磁気円二色性(MCD)のスペクトル、(b) E1ピークの強度の変化、 (c)E1ピーク位置のバルク値からの変化量、(d) キュリー温度の変化。注目すべき点は表面のInAs層を削っただけでも、真ん中の強磁性(In,Fe)As層のキュリー温度も変化する。これは量子井戸内の電子波動関数が基板側に移動したため、波動関数とFeスピンとの重なりが減少したためである。

論文掲載

新しい希薄磁性半導体(In,Co)Asの結晶成長および磁気特性の測定に関する論文がJpn. J. Appl. Phys.誌に掲載されました。Co-Co間の結合は反強磁性的な超交換相互作用が支配的で、強磁性になりませんでしたが、強磁性半導体の発現メカニズムの謎を解明する知見が得ることができました。

N. T. Tu, L. D. Anh, P. N. Hai, M. Tanaka, “Epitaxial growth and characterization of n-type magnetic semiconductor (In,Co)As”, Jpn. J. Appl. Phys. 53, 04EM05/1-5 (2014).

論文掲載

強磁性半導体(Ga,Mn)AsにおけるMn励起電子状態を共鳴非弾性X線散乱法(RIXS)で調べた論文がPhys. Rev. Lett.誌に掲載されました。本研究は高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所の小林 正起博士が中心に行った共同研究の成果です。今回の実験で、(Ga,Mn)Asの正孔がMn原子のまわりに弱く局在しているMn3+状態にあることを明らかにして、10年以上信じられてきたMnの電子状態のモデル(Mn2+と自由正孔)は実は間違ったことを決定的に証明した論文です。

M. Kobayashi, H. Niwa, Y. Takeda, A. Fujimori, Y. Senba, H. Ohashi, A. Tanaka, S. Ohya, P. N. Hai, M. Tanaka, Y. Harada, and M. Oshima, “Electronic Excitations of a Magnetic Impurity State in the Diluted Magnetic Semiconductor (Ga,Mn)As”, Phys. Rev. Lett. 112, 107203/1-5 (2014).

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MnドープしたGaAsにおける可視光電界発光に関する論文がApplied Physics Lettersに掲載されました。今回はMn原子を電気的に励起する方法を提案して、GaAs中のMn原子のd-d遷移による発光を実証した研究成果です。

P. N. Hai, D. Maruo, M. Tanaka, “Visible-light electroluminescence in Mn-doped GaAs light-emitting diodes”, Appl. Phys. Lett. 104, 122409/1-5 (2014).

論文掲載

(In,Fe)As強磁性半導体における歪み効果に関する論文がApplied Physics Lettersに掲載されました。Zenerモデルを使って、キュリー温度の歪みと量子サイズ効果依存性をよく説明できました。

D. Sasaki, L. D. Anh, P. N. Hai, M. Tanaka, “Interplay between strain, quantum confinement, and ferromagnetism in strained ferromagnetic semiconductor (In,Fe)As thin films”, Appl. Phys. Lett. 104, 142406/1-5 (2014).

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