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直流安定化電源

精密温度制御用直流安定化電源

背景

半導体、化学、食品、セラミック等の製造において、直流安定化電源がよく使われている。特に、温度を精密に制御したい場合、直流安定化電源が必要不可欠である。通常のリレーによるON/OFF制御だけでは、温度の誤差が数%と大きく、またリレーから発生したノイズが問題となる。しかし、電流・電圧を連続的に制御できる直流安定化電源を用いれば、温度を非常に精密に制御でき、その誤差が0.1%以下に押さえることができる。

当研究室では、半導体の分子線エピキタシャル結晶成長装置(MBE)において、分子線を発生させるKセルを駆動するために、大量の温度制御用直流安定化電源を使う。装置あたり、6台~10台の安定化電源が必要である。メーカ製のKセル駆動用専用品は600Wで50~70万円と高い上に、1Uラック以上の面積が必要である。温度制御用直流安定化電源を自分たちで組み立てるためには、菊水電子、Texio、TDKラムダ等のメーカ製の汎用直流安定化電源と温度調節器を組み合わせると、コストが約20~30万円で半減できる。しかし、汎用直流安定化電源が無駄な機能が多く、600 W級以上になるとやはり1Uラック以上の面積が必要であるため、コンパクトな電源を作製できない問題がある。

 

目的

今回に、メーカ製の汎用直流安定化電源を使わずに、最低限の機能を持つユニット型直流安定化電源を用いる独自な電源装置を作製して、実際にMBE装置のKセル駆動に使用する。また、夏休みの課題として作製を卒研生にまかせる。作製の過程において、部品コストの計算と電気回路やアナログ電子回路などの講義で勉強したことを実践することによって、専門知識のみならずビジネスセンスも育てると期待できる。

 

電源仕様

・出力パワーが600 W以上、出力電圧48V-出力電流10A以上出力できること。

・大きなデジタル電流計、電圧計による表示が可能であること。

・出力を手動でON/OFFで切り替えること。

・デジタルコンピュータによるPID制御できること。

・面積が1Uラックの半分以下であること。

・ユニットコストが10万円以下であること。

・実用化可能なレベルで安定動作できること。

・電気回路、電子回路の基礎を学習した学部4年生でも組立てることができること。

 

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