強磁性半導体(Ga,Mn)AsにおけるMn励起電子状態を共鳴非弾性X線散乱法(RIXS)で調べた論文がPhys. Rev. Lett.誌に掲載されました。本研究は高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所の小林 正起博士が中心に行った共同研究の成果です。今回の実験で、(Ga,Mn)Asの正孔がMn原子のまわりに弱く局在しているMn3+状態にあることを明らかにして、10年以上信じられてきたMnの電子状態のモデル(Mn2+と自由正孔)は実は間違ったことを決定的に証明した論文です。
M. Kobayashi, H. Niwa, Y. Takeda, A. Fujimori, Y. Senba, H. Ohashi, A. Tanaka, S. Ohya, P. N. Hai, M. Tanaka, Y. Harada, and M. Oshima, “Electronic Excitations of a Magnetic Impurity State in the Diluted Magnetic Semiconductor (Ga,Mn)As”, Phys. Rev. Lett. 112, 107203/1-5 (2014).