第81回応用物理学会秋季学術講演会で発表

2020年9月8日-11日に開催された第81回応用物理学会秋季学術講演会(オンライン開催)で研究員のKhang氏と博士課程の脱凡君が下記の発表を行いました。

[10p-Z08-14] Efficient spin-orbit torque magnetization switching by short pulse currents in non-epitaxial topological insulator BiSb – ferrimagnet heterostructures
〇Nguyen Huynh Duy Khang, Soichiro Nakano, Takanori Shirokura, Yasuyoshi Miyamoto, Pham Nam Hai

[8a-Z08-6] Ultrahigh efficient spin-orbit-torque magnetization switching in sputtered BiSb topological insulator and Co/Pt ferromagnetic multilayers
〇Fan Tuo, Nguyen Huynh Duy Khang, Soichiro Nakano, Pham Nam Hai

SPIE SPINTRONICS XIII国際学会の招待講演

研究員のKhang氏は国際学会SPIE SPINTRONICS XIIIに下記の招待講演を行いました。

“Giant spin-related transport phenomena in BiSb topological insulator/ferromagnet bilayers”
Nguyen Huynh Duy Khang, Tuo Fan, Pham Nam Hai

論文掲載:Si基板上のトポロジカル絶縁体による超低消費電力磁化反転の実証

Si基板上に製膜したトポロジカル絶縁体BiSbによる超低消費電力スピン軌道トルク磁化反転の実証に関する研究成果がScientific Reports誌に掲載されました。

Nguyen Huynh Duy Khang, Soichiro Nakano, Takanori Shirokura, Yasuyoshi Miyamoto & Pham Nam Hai, “Ultralow power spin–orbit torque magnetization switching induced by a non-epitaxial topological insulator on Si substrates”, Scientific Reports 10, 12185 (2020). 

BiSbトポロジカル絶縁体は当研究室が開発した世界最高性能のスピン注入源であり、次世代の不揮発性メモリと期待されているスピン軌道トルク磁気抵抗メモリ(SOT-MRAM)の実現に大変有望な材料ですが、III-V族半導体基板上に成長しないと単結晶ができないという問題がありました。そこで、本研究では、Si基板上に、製膜したBiSbの性能評価を行いました。その結果、Si基板上のBiSbは単結晶でなくても、従来の重金属や他のトポロジカル絶縁体より1桁~2桁高いスピンホール角を確認でき、さらにCoTbフェリ磁性体を0.07 MA/cm2という世界最小の電流密度で磁化反転の実証に成功しました。さらに、10 nsというDRAM並みの高速書き込みにも成功しました。

論文掲載:(In,Fe)Asの室温強磁性の達成

GaAsオフ基板上に(In,Fe)Asを結晶成長させ、オフ基板表面の原子ステップにFeが集まりやすい現象を利用して、室温強磁性を達成した研究成果はJapanese Journal of Applied Physics誌に掲載されました。

Pham Nam Hai, Munehiko Yoshida, Akihide Nagamine and Masaaki Tanaka, “Inhomogeneity-induced high temperature ferromagnetism in n-type ferromagnetic semiconductor (In,Fe)As grown on vicinal GaAs substrates”, Jpn. J. Appl. Phys. 59 063002 (2020).

本研究によって、Pham准教授が提言してきたすべての鉄系強磁性半導体, (In,Fe)As, (Ga,Fe)Sb, (In,Fe)Sbの室温強磁性を達成しました。

Spin-RNJ 若手オンライン研究発表会

研究員のKhang氏はSpin-RNJ 若手オンライン研究発表会で下記の発表を行いました。

[1E-5] Ultralow-power and fast spin-orbit torque magnetization switching in all – sputtered BiSb topological insulator – ferrimagnet multilayers
Nguyen Huynh Duy Khang, Soichiro Nakano, Takanori Shirokura, Yasuyoshi Miyamoto, Pham Nam Hai

論文掲載:高品質なトポロジカル絶縁体のスパッターリング成膜に成功

次世代のスピン軌道トルク磁気抵抗メモリ(SOT-MRAM)の純スピン流源として有効なBiSbトポロジカル絶縁体のスパッターリング成膜に成功した研究成果はJapanese Journal of Applied Physics誌に掲載されました。

Tuo Fan, Mustafa Tobah, Takanori Shirokura, Nguyen Huynh Duy Khang, and Pham Nam Hai. “Crystal growth and characterization of topological insulator BiSb thin films by sputtering deposition on sapphire substrates”, Jpn. J. Appl. Phys. 59, 063001 (2020).

トポロジカル絶縁体の表面にはDirac電子のような分散を持つ状態があり、そこから極めて高い効率でスピン流を生成できることは近年に分かった。特に、当研究室が発見したBiSbトポロジカル絶縁のスピンホール効果は他の材料を凌駕した性能を示しています。しかしながら、トポロジカル絶縁体は一般的に分子線エピタキシャル結晶成長法(MBE法)で成膜されています。このMBE法は高い結晶性のトポロジカル絶縁体を成膜できますが、量産性が悪くて実際にSOT-MRAMの製造プロセスに使われていません。そこで、本研究で量産性が良いスパッターリング法でBiSbを成膜し、高い電気伝導率と金属的な表面状態を確認しました。これにより、BiSbをSOT-MRAMの製造プロセスに導入できることを実証しました。


図:スパッターリング法を用いて成膜したBiSbの格子像

 

Intermagn 2020国際学会発表

カナダのモントリオールで開催されるIntermagn 2020国際学会に研究員のKhang氏が下記の発表を行います(コロナウイルス対策のため、発表会は中止)

【BB-05】Nguyen Huynh Duy Khang, Pham Nam Hai, “Giant Unidirectional Spin Hall Magnetoresistance in GaMnAs/BiSb Bilayers”

卒業お祝い

M2の長南君、市村君、曽智君とB4のKevin君が無事に卒業しました。

おめでとうございます!

第67回応用物理学会春季学術講演会発表

第67回応用物理学会春季学術講演会発表(上智大学)に高橋君、中野君、白倉君、Khang氏が下記の発表を行います(コロナウイルス対策のため発表会中止)

【12p-A501-5】 Improvement of output in anomalous Hall effect sensors using (In,Fe)Sb

Shunsuke Takahashi, Kevin Ekaputra Yohar, Masaaki Tanaka, Pham Nam Hai

【14p-A501-4】 Ultralow-power spin-orbit torque magnetization switching in all-sputtered BiSb topological insulator – ferromagnet multilayers

Nguyen HuynhDuy Khang, Soichiro Nakano, Yasuyoshi Miyamoto, Pham Nam Hai

【14p-A501-5】 Improved thermal stability of BiSb pure spin current source for embedded MRAM

Soichiro Nakano, Yao Kenichiro, Pham NamHai

【14p-A501-12】Bias-field-free spin Hall oscillators with an out-of-plane precession mode

Takanori Shirokura, Pham Nam Hai

論文掲載:バイアス磁場不要の超低電流スピンホール型マイクロ波発振器

バイアス磁場不要の超低電流スピンホール型マイクロ波発振器に関する研究成果がJournal of Applied Physics誌に掲載されました。

Takanori Shirokura, Pham Nam Hai, “Bias-field-free spin Hall nano-oscillators with an out-of-plane precession mode”, J. Appl. Phys. 127, 103904 (2020).

スピントルクを用いるマイクロ波発振器はサイズが数10nmと極めて小さく、人工知能やマイクロ波アシスト磁気記録に欠かせないデバイスです。しかし、従来のスピン偏極電流を用いたマイクロ波発振器(Spin torque nano oscillator; STNO)は駆動電流が大きく、信頼性に問題がありました。一方、スピンホール効果によるスピン軌道トルクを用いると、駆動電流が一桁以上小さく抑えることができると知られています。しかし、スピンホール型マイクロ波発振器は発振には磁場印加が必要でした。そこで、本研究では、バイアス磁場の印加無しで発振可能な新しいスピンホール型マイクロ波発振器(Spin Hall nano oscillator; SHNO)を提案しました。これにより、磁場印加が不要かつ超定電流駆動できる信頼性が高いマイクロ波発振器が実現できます。

図(a)磁化を面直方向に歳差運動させることによって、バイアス磁場の印加が必要なくなることを発見。(b) STNOよりも極めて少ない電流で駆動可能。特にスピンホール効果が強いトポロジカル絶縁体を用いると、nAで駆動可能である。

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