論文掲載:磁性半導体におけるスピノダル分解
日欧研究者と共著で下記のレビュー論文を発表しました。
“Spinodal nanodecomposition in semiconductors doped with transition metals”
Rev. Mod. Phys. 87, 1311-1377 (2015).
今回の論文にPham准教授が過去の研究成果を元に第三章のGaMnAsにおけるスピノダル分解とMnAsナノ微粒子の形成およびそのスピン依存伝導特性・磁気光学特性を担当しました。
論文掲載:強磁性半導体量子井戸における「波動関数制御による磁性変調」の初実証
下記の論文がPhys. Rev. B (Rapid communication)誌に出版されました。
L. D. Anh, P. N. Hai, Y. Kasahara, Y. Iwasa, Masaaki Tanaka, “Modulation of ferromagnetism in (In,Fe)As quantum wells via electrically controlled deformation of the electron wave functions”,
Phys. Rev. B 92, 161201(R)/1-5 (2015).
今回の論文は約10年前に理論的に提案された技術「波動関数制御による磁性変調」を波動性の強い(In,Fe)As量子井戸を含む電界効果トランジスタ構造において実証した研究成果です。本実証によって、従来に磁性変調に必要とする面キャリア密度の変調量1012~1013 cm-2から1011 cm-2までに大幅に削減し、超高速と超低消費電力の磁化スイッチング技術に応用できると期待しています。
本研究に関する受賞履歴はこちらです。
論文掲載:強磁性半導体のキュリー温度の新世界記録
下記の論文がPhys. Rev. B誌に出版されました。
今回の論文は(Ga,Fe)Sbの新型強磁性半導体において、低温MBE結晶成長技術を駆使し、Fe濃度を20%まで増やすことができました。それにと伴い、キュリー温度が大幅に増大し、現時点では230 Kという新世界記録を達成しました。鉄系強磁性の高いポテンシャルを見せつけた研究成果です。
様々な(Ga1-x,Fex)Sbにおけるアロットプロット法によるキュリー温度(TC)の見積。Fe濃度が20%のサンプルにおいて、今までの最高記録(200 K)を超えた230 Kのキュリー温度が得られた。
研究室の新メンバー
中国の東北大学物理学科から当研究室に胡天翔(コテンショウ)君が新M1として入学しました。
論文掲載
下記の論文がAppl. Phys. Lett.誌に出版されました。
今回の論文はMnAsナノ微粒子を含むトンネル磁気接合において、TMR効果とMemristance効果が同時に存在していることを示した。同じMTJ素子でMemristive効果とTMR効果を両方利用すれば、多ビットのメモリ素子に応用できると期待できる。
矢崎科学技術振興記念財団による研究室訪問
矢崎科学技術振興記念財団は当研究室を訪問しました。研究内容に関する説明および研究室見学の案内をしました。訪問の報告はこちらにどうぞ
http://www.yazaki-found.jp/search/recipient999.html
分子線エピタキシー装置の前にて記念写真の撮影
Appl. Phys. Rev. 1, 011102 (2014) の論文は2014年のmost-accessed articlesにランクイン
下記の論文はApplied Physics Reviews誌の2014年のmost-accessed articlesにランクインしました。無料に見ることができます。
Recent progress in III-V based ferromagnetic semiconductors: Band structure, Fermi level, and tunneling transport
Masaaki Tanaka, Shinobu Ohya, Pham Nam Hai
Appl. Phys. Rev. 1, 011102 (2014)
研究室の新メンバー
研究室に卒研生2名、修士課程3名、博士課程1名が加わりました。新メンバーの皆さんの活躍を期待しています。