2014年春季応用物理学会における下記発表に対して応用物理学会スピントロニクス研究会第1回英語講演奨励賞
Le Duc Anh, Pham Nam Hai, Yuichi Kasahara, Yoshihiro Iwasa, and Masaaki Tanaka, “Electrical control of ferromagnetism in n-type ferromagnetic semiconductor (In,Fe)As quantum wells“, 第61回春季応用物理学会学術講演会, 19p-E7-14, 青山学院大学, 2014年3月17-20日。
本研究で開発した世界唯一のn型電子誘起強磁性半導体(In,Fe)Asの量子井戸をチャンネルとして持つ電界効果トランジスタ構造において、量子化された電子状態の波動関数とFeスピンの重なり具合をゲート電圧で電気的に制御し、強磁性転移温度を効率よく変調したことに成功しました。本研究の「波動関数制御による強磁性変調」という手法は約10年前に理論的に予測されましたが、我々の研究までにはどこにも実現できませんでした。本研究の成果によって、従来の強磁性変調実験に必要なキャリア面密度の変化量1013 ~ 1014 cm-2から1011 cm-2程度に下げることができ、超高速かつ超低消費電力(4~6桁削減)の磁化スイッチング技術として期待できます。