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論文掲載:スピンホール効果を高温で増大させる新原理を発見

スピンホール効果を高温で増大させる新原理を発見した研究成果がApplied Physics Letters誌に掲載されました。

Ken Ishida, Takanori Shirokura and Pham Nam Hai, “Enhanced spin Hall effect at high temperature in non-centrosymmetric silicide TaSi2 driven by Berry phase monopoles”, Appl. Phys. Lett. 123, 262402 (2023).

内因性のスピンホール伝導率の大きさはバンド構造の幾何学的位相である「ベリー位相」の効果により決まる。従来の研究より、多くの金属材料のスピンホール伝導率は不純物や温度によらず一定であることが知られている。今回の研究では、TaSi2という物質において、ベリー位相の強い発生源であることが知られているバンドの縮退点(ベリー位相のモノポール)をフェルミレベル近傍に配置することで、高温においてスピンホール伝導率を増大させる新原理の実証に成功した。本研究成果により、SOT方式を利用した超低消費電力な磁気抵抗メモリの高温での性能の改善が期待できる。

図1. (a)TaSi2が持つカイラル構造。(b)スピン軌道相互作用を考慮して、第一原理計算により計算されたバンド図。青い矢印はフェルミレベル近傍のディラックポイントを指す。(c)スパッタリング法で製膜したスタックの構造図。(d)スピンホール伝導率の温度依存性。赤い点線はディラックポイントの寄与を考慮したモデルによる理論曲線。

(a)TaSi2が持つカイラル構造。(b)スピン軌道相互作用を考慮して、第一原理計算により計算されたバンド図。青い矢印はフェルミレベル近傍のディラックポイントを指す。(c)スパッタリング法で製膜したスタックの構造図。(d)スピンホール伝導率の温度依存性。赤い点線はディラックポイントの寄与を考慮したモデルによる理論曲線。

プレスリリース:スピンホール効果を高温で増大させる新原理を発見

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