Mo/CoFeB/MgAl2O4における巨大な垂直磁気異方性を実現した研究成果はApplied Physics Letters誌に掲載されました。本研究はウェスタンデジタル社との共同研究の成果です。
図(a)2重CoFeB構造 (b)垂直磁界および(c)面内磁界を印加した時の異常ホール抵抗(~磁化垂直成分)曲線。
現在のMRAMはCMOS 14~16 nm対応にとどまっている。これより微細化すると、磁性体の熱揺らぎによって、データの保存能力が低下する。より微細なCMOSプロセス対応可能なMRAM素子を実現するためには、より高い垂直磁気異方性を実現する必要がある。
本研究では、独自開発したMo/B-rich CoFeB/MgAl2O4構造を採用することによって、300℃~400℃熱処理後に、B(ボロン)を絶妙に磁性層に残し、低い磁化を実現することで、巨大な異方性磁界Hk ~ 17.5 – 19.5 kOe (従来の3倍)および巨大な磁気異方性エネルギーKeff ~ 6.9 – 9.4×106 erg/cc(従来の2倍)を実現した。その結果、MRAM素子サイズを22 nmまで低減できるため、CMOS 7 nmに対応できるようになった。さらに、2重CoFeB層(図a~c)を用いることで、MRAM素子サイズを14.5 nmまで微細化可能となり、より先端なCMOS 5 nmプロセスを対応可能となった。
電電ニュース: 5 nm CMOSプロセス対応可能な先端MRAM技術を開発
– MRAMの微細化を加速
Researchers develop the most advanced MRAM free layer to date
