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論文掲載:Mo/CoFeB/MgAl2O4における巨大な垂直磁気異方性

Mo/CoFeB/MgAl2O4における巨大な垂直磁気異方性を実現した研究成果はApplied Physics Letters誌に掲載されました。本研究はウェスタンデジタル社との共同研究の成果です。

Zhang Ruixian, Sho Kagami, Daiki Ito, Quang Le, Brian York, Cherngye Hwang, Xiaoyong Liu, Son Le, Maki Maeda, Tuo Fan, Yu Tao, Hisashi Takano, Pham Nam Hai, “Giant perpendicular magnetic anisotropy in Mo/Boron-rich CoFeB/MgAl2O4 structure”, Appl. Phys. Lett. 127, 232403 (2025).

図(a)2重CoFeB構造 (b)垂直磁界および(c)面内磁界を印加した時の異常ホール抵抗(~磁化垂直成分)曲線。

現在のMRAMはCMOS 14~16 nm対応にとどまっている。これより微細化すると、磁性体の熱揺らぎによって、データの保存能力が低下する。より微細なCMOSプロセス対応可能なMRAM素子を実現するためには、より高い垂直磁気異方性を実現する必要がある。

本研究では、独自開発したMo/B-rich CoFeB/MgAl2O4構造を採用することによって、300℃~400℃熱処理後に、B(ボロン)を絶妙に磁性層に残し、低い磁化を実現することで、巨大な異方性磁界Hk ~ 17.5 – 19.5 kOe (従来の3倍)および巨大な磁気異方性エネルギーKeff ~ 6.9 – 9.4×106 erg/cc(従来の2倍)を実現した。その結果、MRAM素子サイズを22 nmまで低減できるため、CMOS 7 nmに対応できるようになった。さらに、2重CoFeB層(図a~c)を用いることで、MRAM素子サイズを14.5 nmまで微細化可能となり、より先端なCMOS 5 nmプロセスを対応可能となった。

電電ニュース: 5 nm CMOSプロセス対応可能な先端MRAM技術を開発
– MRAMの微細化を加速

Researchers develop the most advanced MRAM free layer to date

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