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論文掲載:超高密度磁気記録4 Tbit/in2に向けた新しい磁気センサー技術

超高密度磁気記録4 Tbit/in2に向けた新しい磁気センサー技術「SOTセンサー」に関する研究成果がApplied Physics Letters誌に掲載されました。本研究はスト―レージ大手メーカのWestern Digitals社との共同研究の成果です。

Ho Hoang Huy, Julian Sasaki, Nguyen Huynh Duy Khang, Shota Namba, Pham Nam Hai, Quang Le, Brian York, Cherngye Hwang, Xiaoyong Liu, Michael Gribelyuk, Xiaoyu Xu, Son Le, Michael Ho, and Hisashi Takano, “Large inverse spin Hall effect in BiSb topological insulator for 4 Tb/in2 magnetic recording technology”, Appl. Phys. Lett. 122, 052401 (2023).

従来のTMR効果を用いたTMRセンサーは限界に向かいつつあります。これは、TMRセンサーには、固定層を含み、最低でも2の磁性層が必要なため、20 nm以下の微細なデバイスの作製が困難な他、熱雑音やスピン移行トルク雑音が増大するためです。そこで、逆スピンホール効果を用いるSOTセンサー(図1)を用いれば、TMRセンサーの問題点を解決できます。しかし、SOTセンサーを実現するためには、高いスピンホール効果を有する材料が必要です。従来の重金属を用いると、SOTセンサーの高いSNR比を実現できません。そこで、Pham研究室で開発したBiSbトポロジカル絶縁体を用いれば、高いSNR比を実現できることを理論的に示し、かつその実証を行いました。本研究成果により、超高密度磁気記録4 Tbit/in2の実現が大きく前進します。

図1:SOTセンサーの構造

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