米国UCLA大学との共同研究成果がNature Commnucations誌に掲載されました。
本研究では、トポロジカル絶縁体と磁気トンネル接合を集積したスピン軌道トルク磁気抵抗メモリ(SOT-MRAM)素子の作製と、比較的高いトンネル磁気抵抗効果による読み出しおよびトポロジカル絶縁体による低電流密度の書き込みの実証に成功した。
SOT-MRAMは、スピンホール効果による純スピン流を用いて、高速で書き込みができる次世代の不揮発メモリ技術である。書き込み電流と電力を下げるためには、スピンホール効果が強いトポロジカル絶縁体を用いることが有望であるが、トポロジカル絶縁体と磁気トンネル接合との集積技術はこれまで確立されていなかった。今回の研究では、トポロジカル絶縁体と磁気トンネル接合を集積できることを示し、読み出しと書き込みの原理動作の実証に成功した。本研究成果により、産業界を巻き込んだ超低消費電力SOT-MRAMの研究開発が加速されると期待できる。
図1(a)トポロジカル絶縁体とCoFeB/MgO/CoFeB磁気トンネル接合(MTJ)をを集積した3端子SOT-MRAM素子の模型と(b)実際の素子の写真。(c)スパッタリング法のみで作製したBiSb-MTJ素子におけるトンネル磁気抵抗効果。(d)スピン軌道トルクによる書き込みの実証。
プレスリリース:トポロジカル絶縁体と磁気トンネル接合を集積した次世代不揮発性メモリー SOT-MRAMの実証に成功~超低消費電力SOT-MRAMの実用化へ加速~