論文掲載:Si基板上のトポロジカル絶縁体による超低電流磁化反転に成功
Si基板上のトポロジカル絶縁体BiSbによる超低電流磁化反転に成功した研究成果がApplied Physics Letters誌に掲載されました。
トポロジカル絶縁体は高いスピンホール効果を示し、次世代SOT-MRAMのスピン流源として注目されていますが、今までは主にIII-V族半導体やサファイア基板など、単結晶基板の上にエピタキシャル製膜したBiSb膜しか性能評価されませんでした。今回にデバイス応用に適する酸化Si基板の上にスパッタリング法で製膜したMgO (10nm) / Pt(0.8nm) / Co(0.6nm) / Pt(0.8nm) / BiSb (10nm)構造において、比較的に高いスピンホール角(2.4)と電気伝導率(1.0 x 105 Ohm-1m-1)のBiSb膜を用いて、高い垂直磁気異方性(4.5 kOe)の磁性膜の磁化反転に成功しました。本成果はBiSbトポロジ絶縁体が実用的なスピン流材料であることを実証しました。
Western Digital社との共同研究成果を国際学会TMRC2021で発表
研究室の新メンバー
研究室へ新M1の遠藤君、トラン君、 Huy君(9月入学)、新B4の長田君、南波君が配属しました。皆さんの活躍を期待します。
論文掲載:アモルファス合金YPtのスピンホール効果の起源を解明
アモルファス合金YPtのスピンホール効果の起源を解明した研究成果がApplied Physics Express誌に掲載されました。
スピンホール効果は一般に散乱によって生じる外因性スピンホール効果とバンド構造のベリー位相による内因性スピンホール効果がありますが、原子レベルの規則性が無いアモルファス合金におけるスピンホール効果の起源は今までよく理解されていませんでした。本研究では、アモルファス合金YPtにおいて、世界で初めてアモルファス合金でもベリー位相による内因性スピンホール効果が存在しえることを明らかにしました。また、YPtはアモルファス状にもかかわらず、スピン拡張がPt合金よりも3倍が長いことが分かった。
第68回春季応用物理学会学術講演会の発表
JSTのSakura Science Clubで講演
Pham准教授はアウトリーチ活動・国際貢献としてJSTのSakura Science Clubのセミナで下記の講演を行いました。
Sakura Science and Beyond March 6, 2021.
Inspiring Messages from Japan to the World
Dr. Pham Nam Hai
My Research in Japan -Toward ultralow power magnetic memories-
論文掲載:n型強磁性半導体(In,Fe)Asの光電子分光
東京大学と他の国際機関との共同研究で、n型強磁性半導体(In,Fe)Asの光電子分光に関する研究成果がPhysical Review B誌に掲載されました。
本研究により、n型強磁性半導体(In,Fe)Asのバンド構造を明らかにしました。特に電子が予測通りに伝導帯に滞在し、またバンドギャップ中にFeの不純物バンドも観測されました。
論文掲載:面内磁化反転の新しい検出方法の提案と実証
スピン軌道トルクを用いた面内磁化反転の新しい検出方法の提案と実証に関する研究成果がApplied Physics Letters誌に掲載されました。
Nguyen Huynh Duy Khang, Pham Nam Hai, “Spin–orbit torque as a method for field-free detection of in-plane magnetization switching”, Appl. Phys. Lett. 117, 252402 (2020).
垂直磁化の単膜磁性体の磁化反転の検出は異常ホール効果が用いられています。しかし、面内磁化膜の場合、反転の検出方法がありませんでした。そこで、磁化反転の後に、面内に磁場を印加して、プレナーホール効果を測定する方法がありますが、磁場印加が必要でした(米国ウェステンデジタル社が提案した方法)。本研究では、面内磁化反転の後に、スピン軌道トルクを用いて、磁化を少し傾けることで、外部磁場印加をしなくても、磁化反転を検出できる方法を提案し、実際に磁化反転の検出を実証しました。本方法は磁気抵抗メモリや磁壁駆動磁性細線メモリの研究開発に応用できると期待できます。








