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Category Archives: 論文

論文掲載: Nature Communicationsに論文掲載

Pham研究室と東京大学の田中雅明研究室との共同研究成果が英国のNature Communications誌に掲載されました。

Le Duc Anh, Pham Nam Hai, Masaaki Tanaka, “Observation of spontaneous spin-splitting in the band structure of an n-type zinc-blende ferromagnetic semiconductor”, Nature Communications 7, 13810 (2016)

本研究は当時(2012年)不可能とされてきたN型電子誘起強磁性半導体(In,Fe)Asの実現に成功したが、理論的な予測よりも数100倍以上大きいなキュリー温度を示したため、長い間そのメカニズムが理解されていなかった。

今回の研究では、(In,Fe)Asを含むスピン江崎ダイオードを作製し、トンネル分光法を用いることによって、(In,Fe)Asの伝導帯の自発スピン分裂を観測できたとともに、従来の標準理論ではこのような自発スピン分裂とキュリー温度を同時に説明できないことを示し、従来の標準理論には欠陥があることを明らかにした。従って、本研究成果は強磁性半導体の物性および半導体スピンデバイスの研究に新しい知見を与えることができた。

ncomms13810-f2

図(a)-(d)スピン江崎ダイオードにおけるトンネル分光法を用いたスピン分裂の直接観測。点線がアップスピンとダウンスピンバンドの位置を示す。(e)スピン分裂エネルギーの温度依存性。点線は理論曲線である。

東工大ニュース

スピン自由度を用いた次世代半導体デバイス実現へ大きな進展

電気電子系ニュース

強磁性半導体において大きなスピン分裂をもつ電子のエネルギー状態を初めて観測

日経テクノロジonline記事

東大と東工大、スピン自由度利用の半導体デバイスに向け成果

EETimes Japan

n型強磁性半導体を作製、伝導帯にスピン分裂

論文掲載:世界最小Siスピンバルブの実現

D2のHiep君の研究成果がAppl. Phys. Lett.誌に掲載されました。

Duong Dinh Hiep, Masaaki Tanaka, Pham Nam Hai, “Spin transport in nanoscale Si-based spin-valve devices”, Appl. Phys. Lett. 109, 232402 (2016).

今回の研究はチャンネル長が20nmという世界最小のSiスピンバルブ構造を作製でき、最大で13mVのスピン出力電圧が得られました。この値は従来の研究に対して、約10~1000倍大きい。今後にゲート電極を追加し、ナノサイズのSiスピントランジスタの作製を目指す。

si-spinvalve

図(a)Siのスピンバルブ構造。強磁性電極FeからMgOトンネル障壁を介してSiチャンネルにスピン注入して、もう一つの強磁性電極Feでスピンを検出する。(b)試作したデバイスの走査型電子顕微鏡像。両強磁性電極の磁化平行・反平行時の電圧の差が最大13 mVと従来の研究よりも10倍~1000倍大きい。

 

Applied Physics LettersのEditor’s Picksに選べられた


下記の論文がApplied Physics LettersのEditor’s Picksに選べられた

 

High-temperature ferromagnetism in heavily Fe-doped ferromagnetic semiconductor (Ga,Fe)Sb

(2016年5月15日の週)

Editor pick APL

 

論文掲載:ついに室温強磁性半導体を実現しました!

米国Applied Physics Letters誌に(Ga,Fe)Sbの室温強磁性半導体の研究成果が掲載されました。

Nguyen Thanh Tu, Pham Nam Hai, Le Duc Anh, Masaaki Tanaka, “High-temperature ferromagnetism in heavily Fe-doped ferromagnetic semiconductor (Ga,Fe)Sb”, Appl. Phys. Lett. 108, 192401 (2016).

半導体の室温強磁性はスピントロニクス研究の最重要な課題の一つであり、90年台前半から世界中の研究者が取り組んできました。しかし、今まで200K以下しか強磁性が観測できませんでした。

今回、我々は従来の研究とはまったく異なるアプローチで、狭ギャップ半導体GaSbに鉄原子をドーピングすることによって、非常に高いキューリ温度を実現できることを見出しました。鉄原子濃度を順調に伸ばして、ついに室温強磁性を実現しました。

本研究成果はAmerican Institute of Physicsによって注目論文として選べられ、Applied Physics Letters誌の最新号のカバーとして飾りました。

http://scitation.aip.org/content/aip/journal/apl/108/19

APL 108 cover

さらに、一般メディア向けの解説も掲載されます。
https://www.aip.org/publishing/journal-highlights/best-both-worlds

Best of both worlds

論文掲載:Si:Mnを利用した可視光Si発光素子

SiにドープしたMn原子のd軌道間光学遷移を利用した可視光Si発光素子の研究成果がPhys. Rev. B誌に掲載されました。

Pham Nam Hai, Daiki Maruo, Le Duc Anh, and Masaaki Tanaka, “Visible-light emission at room temperature in Mn-doped Si light-emitting diodes”,  Phys. Rev. B 93, 094423 (2016).

本研究は、3d遷移金属のd-d光学遷移を利用したSi発光素子としては世界初です。III-V族半導体を使わず、Siそのままを利用するため、Si発光素子の新しいメカニズムとして期待できます。

SiMn

Si:Mn発光素子の(a)白黒高感度カメラ(b)可視光カメラによって撮影した発光様子、(c)発光スペクトル。E1E2はMnのp-d混成軌道間の光学遷移に対応している。

論文掲載:強磁性半導体(In,Fe)Asの磁化過程の解明

光電子分光を専門としている東京大学藤森研究室と共同で、X線磁気円二色法を用いて、強磁性半導体(In,Fe)Asの磁化過程を解明した研究成果がPhys. Rev. B誌に出版されました。

S. Sakamoto, L. D. Anh, P. N. Hai, G. Shibata, Y. Takeda, M. Kobayashi, Y. Takahashi, T. Koide, M. Tanaka, and A. Fujimori, “Magnetization process of the n-type ferromagnetic semiconductor (In,Fe)As:Be studied by x-ray magnetic circular dichroism”, Phys. Rev. B 93, 035203/1-6 (2016).

今回の論文では、マクロな強磁性が出現する前に(TC)、強磁性なナノ領域が存在し、キュリー温度に近づけるとその密度が増えて、最後にナノ領域同士が繋がることでマクロな強磁性が発生している過程を明らかにしました(下図参照)。

Magnetic domains

 

論文掲載:絶縁的強磁性半導体(Al,Fe)Sbの実現

下記の論文がAppl. Phys. Lett.誌に出版されました。

Le Duc Anh, Daiki Kaneko, Pham Nam Hai, and Masaaki Tanaka, “Growth and characterization of insulating ferromagnetic semiconductor (Al,Fe)Sb”, Appl. Phys. Lett. 107, 232405/1-4 (2015).

今回の論文では、スピンフィルタとして動作可能な絶縁的な強磁性半導体(Al,Fe)Sbを実証しました。これによって、鉄系強磁性半導体はn型、p型および絶縁タイプのすべてが実現できました。(従来のMn系強磁性半導体では、p型強磁性半導体しか実現できませんでした)。

論文掲載:磁性半導体におけるスピノダル分解

日欧研究者と共著で下記のレビュー論文を発表しました。

T. Dietl, K. Sato, T. Fukushima, A. Bonanni, M. Jamet, A. Barski, S. Kuroda, M. Tanaka, Pham Nam Hai, H. Katayama-Yoshida.

“Spinodal nanodecomposition in semiconductors doped with transition metals”

Rev. Mod. Phys. 87, 1311-1377 (2015).

今回の論文にPham准教授が過去の研究成果を元に第三章のGaMnAsにおけるスピノダル分解とMnAsナノ微粒子の形成およびそのスピン依存伝導特性・磁気光学特性を担当しました。

論文掲載:強磁性半導体量子井戸における「波動関数制御による磁性変調」の初実証

下記の論文がPhys. Rev. B (Rapid communication)誌に出版されました。

L. D. Anh, P. N. Hai, Y. Kasahara, Y. Iwasa, Masaaki Tanaka, “Modulation of ferromagnetism in (In,Fe)As quantum wells via electrically controlled deformation of the electron wave functions”,
Phys. Rev. B 92, 161201(R)/1-5 (2015).

今回の論文は約10年前に理論的に提案された技術「波動関数制御による磁性変調」を波動性の強い(In,Fe)As量子井戸を含む電界効果トランジスタ構造において実証した研究成果です。本実証によって、従来に磁性変調に必要とする面キャリア密度の変調量1012~1013 cm-2から1011 cm-2までに大幅に削減し、超高速と超低消費電力の磁化スイッチング技術に応用できると期待しています。

本研究に関する受賞履歴はこちらです。

*2015年先端技術大賞、ニッポン放送賞(学生)

*2014年応用物理学会秋季学術講演会の「講演奨励賞」(学生)

*応用物理学会スピントロニクス研究会第1回英語講演奨励賞(学生)

論文掲載:強磁性半導体のキュリー温度の新世界記録

下記の論文がPhys. Rev. B誌に出版されました。

N. T. Tu, P. N. Hai, L. D. Anh, M. Tanaka, “Magnetic properties and intrinsic ferromagnetism in (Ga,Fe)Sb ferromagnetic semiconductors”, Phys. Rev. B 92, 144403/1-14 (2015).

今回の論文は(Ga,Fe)Sbの新型強磁性半導体において、低温MBE結晶成長技術を駆使し、Fe濃度を20%まで増やすことができました。それにと伴い、キュリー温度が大幅に増大し、現時点では230 Kという新世界記録を達成しました。鉄系強磁性の高いポテンシャルを見せつけた研究成果です。

GaFeSb_AHR

様々な(Ga1-x,Fex)Sbにおけるアロットプロット法によるキュリー温度(TC)の見積。Fe濃度が20%のサンプルにおいて、今までの最高記録(200 K)を超えた230 Kのキュリー温度が得られた。